血圧は、常に変動している

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高血圧にはお昼寝がおすすめ?

血圧の値は、一日を通じていつも同じではありません。常に変動をくり返しており、これを日内変動といいます。多くの人は日中に血圧が高く、夜間は低くなります。そのため、高血圧の人は血圧が高くなりがちな時間帯を知り、行動に気を付けることが大切です。
血圧は睡眠中が最も低く、起床とともに上がり始めます。血圧の変動で最も重要なのは早朝で、午前6時から9時の間は血圧が急上昇しやすい、「魔の3時間」と呼ばれています。起床後、外出の支度や家事で慌ただしい時間帯のため、高血圧の人はとくに注意が必要です。目が覚めても急には起き上がらず、横になったまま腹式呼吸や軽い体操をして、血圧の急上昇を防ぎましょう。
また、血圧が高めの昼間は、20分ほどの仮眠もよいでしょう。あお向けになって休めれば、さらに効果的です。

血圧は、暑さも寒さも苦手

血圧は、季節の移り変わりによる気温変化の影響も重要です。春から夏にかけては低く、秋から冬にかけては高くなり、季節変動と呼ばれています。冬は、寒さが刺激となって自律神経である交感神経の働きが活発になりやすいため、高血圧の人でなくても血圧が上がりやすくなる要注意な季節です。
一方で近年、夏も安心していられなくなりました。冷房の普及により、屋外と屋内の温度差が大きくなっているため、血圧の変動が起きやすくなっています。さらに、発汗によって体内の水分が不足しがちになるため、血液の粘性が高く(いわゆるドロドロに)なり、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが高まります。これらを予防するためには、コツを知ることが大切です。

要注意な季節でも、血圧を安定化させるコツ

血圧の急上昇を防ぐためには、温度差を減らす工夫が必要です。
【︎夏】

  • 暑い屋外から冷房の効いた屋内に入るときには、汗をかいたまま、エアコンや扇風機の冷風に当たらない。
  • 冷房は26〜28℃に設定し、室温を下げすぎない。
  • こまめに水分補給をして、脳卒中や心筋梗塞を招く脱水を防ぐ。

【︎冬】

  • 室内の温度差に注意し、暖かい部屋から出るときには厚手のカーディガンなどを羽織る。
  • 廊下やトイレ、脱衣所などの寒い場所には暖房器具を置く。
  • 洗顔や炊事などの際はぬるま湯を使う。
  • 寝具は湯たんぽなどで温めておき、就寝時の体温低下を防ぐ。

このほか、暑い日に冷たいものを飲んで体を一気に冷やしたり、寒い日に温かいものを食べた直後に外に出たりするのも要注意です。急激な温度変化には、くれぐれも用心しましょう。

監修:熊本大学大学院生命科学研究部
腎臓内科学 教授 向山 政志 先生

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