ギャンブルは、勝っても負けても血圧が上がる
勝ち負けを争うゲームや、競馬、競輪、パチンコなどの賭け事をほどよく楽しむことは、日々の生活のスパイスのひとつ。しかし、あまりに興奮しすぎると、自律神経のうちの交感神経が過剰に優位になり、血圧を急上昇させてしまいます。しかも、負けて悔しいときだけでなく、勝って嬉しいときでも血圧は上がります。賭け事やゲームの趣味を持つ人は、ぜひ意識して回数を減らしていきましょう1)。
また、筋トレなどの息を止めて力を入れる無酸素運動や、勝敗を競うスポーツも、注意が必要です。ゴルフも例外ではありません。ゴルフのパットやティーショットは、緊張する上に、息を止めて一気に力を入れるため、血圧が急上昇しやすくなります2)。そのうえ、勝ち負けにこだわりすぎてイライラすると、さらに危険。血管や心臓に大きな負担をかける、急激な血圧変動につながってしまいます3)。
高血圧になりやすい性格って?
仕事でも、人より優位に立とうと思う「競争心」は血圧を上げる原因になります1)。さらに「イライラしやすい」「せかせか行動する」「完璧主義」という人も、高血圧になりやすいといわれています4) 。
とはいえ、「負けず嫌い」「几帳面」「せっかち」などの性格は長所にもなりますし、生まれ持った気質は、簡単に変えられるものでもありません。また、いくら血圧に好ましくないとはいえ、好きなスポーツや趣味を我慢しすぎるのも、ストレスによる高血圧の原因になってしまいます5)。
そこで、おすすめなのが「深呼吸」と「微笑み」です。負けず嫌いでカーッとなりそうなときは、大きく胸を張って深呼吸してみましょう1)。あるいは、口角を上げてニッコリ微笑んでみましょう。そうすることで交感神経の緊張をやわらげて、血管をゆるめ、血圧の上昇を防ぐ効果が期待できます5)。これらのひと工夫で、ストレスを溜めずに、競争心をコントロールしましょう。
血圧を下げるコツは、にこにこペースとツボ刺激
さらに「にこにこペース」も、血圧にやさしく運動を楽しむコツのひとつです。具体的には、運動するときに、にこにこと会話しながらできるペースを意識すること。軽く息が弾み、少し汗ばむ程度がベストです。全身の血流がよくなるだけでなく、慢性的に血圧を下げる効果も期待できます。にこにこペースの運動を10週間ほど続けた結果、約50%以上の人の血圧が、上が約20mmHg、下が約10mmHg下がったという報告もあります1)。
また、趣味でも仕事のシーンでも、ついメラメラと過剰な競争心が燃え上がってきたときは、以下の「血圧をコントロールするツボ刺激」を試してみるのも、おすすめです1)。
- ①耳上部つまみ(降圧・血行改善)
耳上部の中心(耳尖)を親指と人差し指でつまみ、前後に軽く動かす(左右1分ずつが目安) - ②耳の後ろ押し(血圧調整・不眠・頭痛・肩こり・めまい改善)
耳の後ろにある骨の下先端から1cm弱のツボ(安眠)の周辺を人差し指の先でやさしく押す(5秒押して2秒休むが目安)
血圧が上がりやすくなる場面を意識して、自分にあったコントロール方法を見つけていきましょう。
監修:新小山市民病院 病院長 島田 和幸 先生