年をとると血圧が高くなるのはなぜ?

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監修:大阪大学大学院医学系研究科
老年・総合内科学 教授 楽木 宏実 先生

血管の老化

血管はもともとしなやかな弾力性をもっています。しかし、長い間圧力を受け続けると老化し、硬くもろくなったり、内腔が狭くなります。この状態を「動脈硬化」といいます。

血管の老化

誰でも血管は老化する

血管の老化は、誰にでも自然に起こる現象です。たとえば、心臓の直近から足首までの動脈の硬さを示すCAVIという指標は、健康な人でも年齢が上がるにつれて上昇します。また、心臓に直結する大動脈の硬さを示すAIという指標も、年齢とともに上昇することが知られています。動脈硬化があると血液が流れにくくなって血圧が上がるため、高齢になるほど高血圧の人の割合は高くなります。

年代別のCAVI
誰でも血管は老化する

20歳から79歳までの、健康な男性3259人、女性3534人で測定
CAVIの値が低いほど動脈がしなやかであることを示す
(J Atheroscler Thromb 2011; 18: 924-38)

高齢の人の高血圧

高齢の人では、収縮期血圧が上がり、拡張期血圧は下がる傾向があります。これには、心臓に近い血管である大動脈のしなやかさが関係しています。
心臓が収縮し全身に血液が送り出されると、大動脈がふくらみ血液がたまります。心臓が拡張しているときには心臓から血液は出ませんが、ふくらんでいた大動脈が元に戻ろうとする力でゆっくりと血液が全身に送り出されます。
高齢になると大動脈が硬くなり、収縮期に血液をためる働きが小さくなります。その結果、収縮期血圧は上がる一方、拡張期には送り出される血液の量が減るため、血圧は下がります。

大動脈がしなやかな状態
大動脈がしなやかな状態
大動脈が硬くなると…
大動脈が硬くなると…

収縮期血圧と拡張期血圧の差

収縮期血圧と拡張期血圧の差を「脈圧」といいます。脈圧の大きさは、大動脈の動脈硬化の進行度合いを示しており、大きいほど心血管病を発症するリスクが高いことが報告されています。2005年に発表されたデータでは、脈圧が10mmHg大きくなるごとに、心筋梗塞などの心血管病で亡くなるリスクが22%大きくなることが示されました1)。脈圧が60mmHg以上の場合は動脈硬化が進行している可能性が高く、早めの対策が必要です。

  • 1)
    Arch Intern Med. 2005; 165: 2142-7
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