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高血圧の症状
高血圧では、「何となく頭が重い」「肩がこる」といった症状が出ることはあるものの、高血圧に特徴的な症状はなく、ほとんどの人では自覚症状がありません。それにもかかわらず、全身に重大な影響を及ぼす病気を引き起こすため、「サイレントキラー(静かなる殺人者)」といわれています。
呼吸困難、めまいやふらつきなどの症状が出始めたときには、心臓や脳に重大な病気が生じている可能性があるため、医療機関への早めの相談が必要です。

高血圧と動脈硬化の悪循環
高血圧では血管に過度な圧力がかかり続けるため、健康な人なら加齢とともにゆっくりと進行する動脈硬化が速く進行します。その結果、ますます血管が厚く、硬く、狭くなり、血圧が上昇するという悪循環に陥ります。
動脈硬化には、その起こり方によって以下のようなタイプがあります。
アテローム動脈硬化(粥状動脈硬化)
血管の内側の細胞が圧力などで傷つき、そこに血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)などがたまって粥腫(アテローム)というかたまりができる結果、血管がつまりやすくなります。冠動脈や頸動脈など比較的太い血管に起こります。

細動脈硬化
脳や腎臓などのごく細い血管に起こるもので、血管壁全体が厚く、もろくなり、出血しやすくなります。


高血圧から起こる病気
高血圧により動脈硬化や心臓への圧力が進行すると、全身に以下のような重大な病気が起こります。

- 脳
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- 脳梗塞
- 脳の血管に血栓がつまり、血流が途絶える
- 脳出血
- 脳内の細い血管が破れて出血する
- くも膜下出血
- 脳の表面近くにある血管内にこぶ状のかたまりができ、破れて出血する
- 心臓
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- 狭心症
- 冠動脈が狭くなり、血流が一時的に低下する
- 心筋梗塞
- 冠動脈が完全につまり、血流が途絶える
- 心肥大・心不全
- 高血圧では心臓が血液を送り出すときに強い圧力が必要となるため、心臓が大きくなる。これが続くと心臓に負担がかかり、機能が低下して心不全となる。
- 腎臓
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- 腎硬化症・腎不全
- 腎臓の細い血管が硬くなり、腎臓に流れ込む血液量が減ったり傷害を受けたりする結果、腎臓の機能が低下する
- 目
-
- 眼底出血
- 網膜の細い血管が破れて出血する
- 胸部
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腹部 -
- 大動脈瘤破裂
- 大動脈内にこぶ状のかたまりができ、破裂する
- 大動脈解離
- 大動脈の壁に亀裂が入り、血管が裂ける
- 足
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- 閉塞性動脈硬化症
- 足の動脈が狭くなって十分な血液が流れなくなる結果、痛みを伴う歩行障害が生じたり足が壊疽する
監修:独立行政法人 労働者健康安全機構
大阪ろうさい病院 院長 樂木 宏実 先生