生活習慣で高血圧は改善できる?

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監修:大阪大学大学院医学系研究科
老年・総合内科学 教授 楽木 宏実 先生

高血圧は、さまざまな生活習慣が関連して起こる生活習慣病です。そのため、高血圧の予防・改善には、まず生活習慣の見直しが欠かせません。
高血圧と診断されても、軽症の場合はまず生活習慣の見直しから治療を始め、必要に応じて薬による治療を開始します。また、薬による治療を始めた後でも、生活習慣の見直しがうまくいけば、薬の量を減らせることがあります。日本高血圧学会では、生活習慣の見直しのポイントとして、以下の8項目をあげています。これらは1つを集中して行うより、組み合わせて行うことで効果が大きくなります。

減塩:食塩摂取量は1日6g未満を目標に

食塩のとり過ぎは高血圧の大きな要因です。現在、日本人は1日に男性で10.5g、女性で9.0gの食塩を摂取していますが1)、これは世界的にみると高い水準です。世界保健機関(WHO)では、2025年までのすべての成人の目標量を5gとしています。日本高血圧学会では高血圧の予防のため、血圧が正常な人でも1日6g未満とすることを勧めています。

バランスの良い食事:野菜・果物、多価不飽和脂肪酸を多くとり、
飽和脂肪酸・コレステロールは控える

野菜や果物には塩分(ナトリウム)の排泄作用があるカリウムが豊富に含まれるため、積極的にとりましょう。青魚には多価不飽和脂肪酸であるDHAなどが豊富に含まれ、動脈硬化の予防に有効です。飽和脂肪酸やコレステロールは動脈硬化や肥満につながるため、これらを多く含む肉、乳製品、卵は控えめにしましょう。

減量:BMI 25.0未満*を目標に

肥満は高血圧の大きな要因であるだけでなく、糖尿病、脂質異常症など多くの病気の原因ともなります。これらが重なると、重大な心血管病が起こるリスクも相乗的に高まります。
肥満の度合いはBMIから判断します。肥満がある場合は食生活の改善と運動を行い、BMIが25未満となるようにゆっくりと減量していきます。

* BMI(体格指数)=体重[kg]÷身長[m]2

運動:有酸素運動を、毎日30分以上または週180分以上

運動をすると血管が広げられて血流がよくなり、血圧が下がるほか、肥満や脂質異常症の改善につながります。
高血圧の人には、体に酸素を取り入れながら行う「有酸素運動」が向いています。有酸素運動には、ウォーキング、水泳、サイクリングなどがあります。運動の強さは「ややきつい」程度がよく、強すぎると血圧が上がりすぎたり心臓に負担がかかるため注意が必要です。話しながら続けられるくらいの運動を、1回30分~1時間程度、週3日以上行うことをめざします。また、軽い筋力トレーニングやストレッチを組み合わせると、筋力の維持や疲労改善にもつながり効果的です。

節酒:アルコール量として、男性は1日20~30mL、女性は10~20mLまで

アルコールには、血行をよくする、ストレスをやわらげるなどの効果がありますが、多量飲酒は高血圧だけでなく、脳卒中や心臓病なども引き起こします。日本高血圧学会では1日の飲酒の適量を、アルコール量として男性は1日20~30mL、女性はその半分くらいまでとしています。アルコール20~30mLは、おおよそ日本酒1合、ビール中ビン1本、焼酎半合、ウイスキーダブル1杯、ワイン2杯です。

禁煙

喫煙は高血圧だけでなく、動脈硬化、呼吸器疾患、がんなど多くの病気を引き起こし、「百害あって一利なし」です。必要に応じて禁煙外来などを利用しながら、強い意志をもって禁煙に取り組みましょう。

防寒

寒くなると血管が収縮し、血圧が上がります。とくに冬は部屋の中と外の温度差が大きく、急激に血圧が上がることがあるため注意が必要です。外出するときは防寒対策をしっかりしましょう。また、トイレや浴室を温めておくなど、急な温度変化を防ぐ工夫も大切です。

ストレス解消

ストレスを受けると交感神経が刺激され、血圧が上がります。ストレスを受け続けると血圧が高い状態が続いてしまうため、ストレスはためこまず、早めに解消することが大切です。とはいえ、ストレスの原因となっている環境を変えるのは難しいことも事実です。以下を参考に、自分なりの方法を見つけて、こまめにストレスを解消するようにしましょう。

  • ストレッチ、散歩などの気分転換を1日に数回取り入れる
  • 深呼吸(緊張や怒りを和らげるのに効果的)
  • 休む(横になるだけでも血圧が下がる)
  • ぬるめのお風呂に入る
  • 趣味を楽しむ(運動、芸術、自然など)
  • 家族・友人との時間を楽しむ
  • 1)
    平成30年国民健康・栄養調査
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