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高血圧には、原因を1つに特定できない「本態性高血圧」と、別の病気など特定できる原因によって起こる「二次性高血圧」があります。日本人の高血圧の約8~9割は本態性高血圧です1)。
本態性高血圧は、遺伝的要因、生活習慣、加齢など、さまざまな要因が組み合わさって起こります。原因を特定しにくいため、根本的な治療が難しいという問題点があり、生活習慣の改善などを進めて、ゆっくり改善していく必要があります。
二次性高血圧には、腎臓の病気、ホルモンの異常、服用している薬によって起こるものなどがあります。原因を特定してそれを取り除けば高血圧も改善されます。
遺伝と高血圧
血圧の上がりやすさには遺伝的な体質が関与しており、両親とも高血圧の場合にその子どもが高血圧になる確率は約50%、両親のどちらかが高血圧の場合は約30%といわれています2、3)。加えて、家族で似た生活環境にあることも、同じ家族で高血圧の人が多くなる原因と考えられています。高血圧の人が多い家庭では、適切な生活習慣を心がけ、家族ぐるみで高血圧を予防することが大切です。
生活習慣
高血圧につながる生活習慣には、以下のようなものがあります。
- 食塩
- 食塩をとり過ぎると、血液中の塩分(ナトリウム)濃度を薄めようとして体内の血液量が増え、血圧が上がります。
- 食べ過ぎ
- 脂肪のとり過ぎは、肥満につながります。脂質のとり過ぎから脂質異常症になると、動脈硬化が進みます。
- 運動不足
- 肥満や動脈硬化につながります。
- 肥満
- 肥満には、血液中の糖を細胞に取り込む働きのあるインスリンの効きを悪くする作用があり、その結果血液中のインスリン濃度が高くなります。インスリンには腎臓でのナトリウムの取り込みを促進したり、交感神経を刺激する作用もあり、それにより血圧が上がります。
- ストレス
- 交感神経を刺激します。
- 睡眠不足
- 交感神経が活発な時間が長くなり、夜間血圧が高くなります。
- 飲み過ぎ
- アルコールは血圧を一時的に下げる効果がありますが、適量以上を長期間飲むと高血圧の原因になります。原因として、血管が収縮しやすくなること、交感神経が刺激されることなどが考えられています。
- 喫煙
- ニコチンは血管を収縮させます。また、一酸化炭素は血液中の酸素を減らすため、心臓がそれを補おうとして心拍数が増加し、さらに血圧が上がります。
監修:独立行政法人 労働者健康安全機構
大阪ろうさい病院 院長 樂木 宏実 先生